いつ起こるかわからない自然災害。
社員の安全を守るために、企業も防災意識を強くもつことが求められています。
企業の防災対策の中でも防災備蓄品の準備が非常に重要です。
交通機関が麻痺し、帰宅が困難になった社員がオフィスで少しでもストレスや危険なく過ごすためには、物品の備えが欠かせません。
食料や飲料、毛布、携帯トイレ、救急箱などを最低でも3日分は用意しましょう。
いざという時の備えについて、「100%OK」「これで大丈夫」「やりすぎ」というものはありません。
災害はいつ起こるか分かりません。
業務中に地震などの自然災害が発生し、社員が帰宅困難になるケースもあります。
例えば東日本大震災の際には東京の公共交通機関が麻痺し、多くの帰宅難民が発生しました。(その後東京都は2013年4月に「東京都帰宅困難者対策条例」という防災備蓄に関する条例を施行しています。)
社員が帰宅困難になった際、オフィス内に防災備蓄品があれば、ある程度の安心や安全が確保された状態で、交通機関やその他インフラの復旧を待つことが出来ます。
企業が防災備蓄品を用意することは大切な社員の身を守ることに繋がるのです。
被災時には水道、ガス、電気は使えないと考えておく必要があります。
「水・ガス・電気が使えない中で生命活動を維持するために必要なものは何か?」という視点で考えると、用意すべき防災備蓄品が見えてくるでしょう。
など、安全面や衛生面の視点から用意しておいた方がいいものは多数あります。
ただし、予算や保管スペースなどの理由で、全てを用意するのは難しいでしょう。
社員にヒアリングしながら、自社が本当に必要だと思うものだけを、過不足なく準備することが必要です。
被災時に生命活動を維持するうえで非常に重要な水と食料ですが、最低でも3日分は用意しておく。
水は1人1日3リットル消費すると仮定して、1人当たり9リットル、食料は1日3食で1人当たり9食分は必要でしょう。
加えて携帯トイレが1人あたり20回分程度、毛布が1人1枚あれば、3日はしのげる可能性が高いです。
他の備蓄品についても、1人当たりに必要な個数と社員数を考慮して用意しておく。
防災備蓄品は専用倉庫や、各社員のデスク、休憩室、空きスペースなどに分けて確保することをおすすめします。
一か所に保管した場合、何らかの理由で、備蓄品がダメージを受けた際、すべてが使用不可になります。
分散して保管することで、1つのトラブルで防災備蓄品がダメになるという事態を避けられるでしょう。
防災備蓄品の選定や準備を行う際のポイントは次の通りです。
・人数分より少し余分に準備しておく
準備時の社員数がずっと続くわけではありません。
社員が増えた時やパート・アルバイトの出社、災害時に来客があったときなどを想定し、社員の人数より少し多めに準備しておく方がよいでしょう。
また、「備蓄品を何人分用意しているか」は記録しておき、足りなくなりそうなら早めに追加分を用意。
・食料や飲料は長期保存可能なものを選ぶ
食料や飲料には消費期限や賞味期限があります。
これらの期限が短いものを選ぶと、頻繁に交換が必要だったり、いざという時に口に出来なかったり、様々不都合が生じます。
食料や飲料は出来るだけに持ちするものを選びましょう。
最近は災害用非常食のラインナップも充実しており、長期保存可能かつ美味しいものも多くあります。
・携帯性が高いものを選ぶ
災害の規模が大きい場合や、会社へ留まることが危険と判断された場合などは、避難所への移動が必要になるケースもあります。
その際、移動先で少しでも快適に過ごすために、会社の防災備蓄品を持っていく方がよいでしょう。
防災備蓄品を持ち出すときのことも考慮し、「軽い」「折りたためる」など携帯性の高いものを選ぶとよいです。
食料や飲料以外にも、期限があることを把握しましょう。
例えば乾電池にも使用期限があります。
それ以外に期限が無くても(保管状態によって)自然劣化してしまうものもあります。
発電機や蓄電池、その他機材にも定期的に点検・試運転をしておくことが必要です。
賞味・消費・使用期限は定期的にチェックしておかなければ、「被災時に期限が切れていた」という事態になりかねません。
また、期限が迫った飲食品は廃棄するのではなく、避難訓練で使用したり社員に配って消費してもらうなどサスティナブルな防災に取り組むことが大切です。